龍平の声だ。
どういう事よ。
何で龍平が健司と一緒にいるのよ。
……違う。
改めて考えてみればカラダ探しが始まる前、ふたりは仲が良くて、いつも一緒にいたんだから。
私達と一緒にいた事を、女好きだから当たり前だと思ってたけど……。
だまされてたんだ。
「……が最……工業棟の一階……カラダが……」
龍平は……私達の味方じゃなかったの?
私達を利用して、健司にカラダがどこにあるか教えてたっての?
なんなのよ龍平!
そう思ってしまった時、私はドアを開けて健司と龍平に向かって指差していた。
「あ、あ、あんた達ねぇ!! 誰かを犠牲にして、この世界を続けても……赤い人に殺されるんだからね!!」
驚いたような表情で私を見る龍平と健司。
「留美子……何でお前……」
「うるさい! 黙れ! あんたなんか心配した私がバカだったよ! 死ねっ!!」
こんな事を言いたくて来たわけじゃないのに。
私は、手に持っていた物を龍平に投げ付けて、廊下を走った。
階段を下りて、靴を履いて家を飛び出して。