そうだよ……何を勘違いしてたんだろう。
誰かを犠牲にして、この世界を続けるとか都合の良い事を考えていたけど、そんなに甘いものじゃないんだ。
カラダ探しがなくなれば、私達は確実に赤い人に殺される。
だとしたら、カラダを全部集めるしか方法がないじゃない。
集めなければ、今までやって来た事が、すべて無駄になってしまうんだ。
「……健司を説得しなきゃね」
真っ先に思い付いた事を口に出して、私は立ち上がった。
カラダを管理するとか、誰を犠牲にするかは自分が決めるとか。
そんな事をしても、赤い人がいる限り、死からは逃れられないのだから。
「えっと……健司の番号入ってたかな……あ、あったあった」
携帯電話を操作して、電話帳から健司の番号を出した私は、すぐに電話をかけた。
……でも、流れるガイダンスに、私はガックリと肩を落とす。
龍平に続いて健司まで。
「どうなってるのよ! まさか、携帯自体が使えなくなったっての!?」
いらつきながら、それを確認するためにあゆみに電話をかけると……。
トゥルルルル……。
トゥルルルル……。
『留美子? どうかしたの?』