あゆみもこの重苦しい雰囲気が嫌なのか、私に合わせるように口を開く。
カラダの詳しい場所を聞きたいのもあるけど、問題は健司の事なんだよね。
健司がどれだけカラダを見つけたかは分からない。
俺がカラダを管理するとか言ってたくらいだから、それがうまく行かないと分かったら、何をしでかすか。
仲の良かった龍平なら、何とかできるかなーなんて考えてたのに。
「返事もないしさ、ちょっと見てこようかな? 美紗も元気になったみたいだし」
椅子から立ち上がり、皆を見回してから携帯電話を取り出した私は、龍平に電話をかけてみた。
でも……電源が入っていないのか、ガイダンスが流れただけで龍平につながらない。
「どうやらダメみたいね。彼はこちらの世界の住人だから、大丈夫だとは思うけど……どうしたのかしらね」
あいつが、これだけ女子がいるのに来ないはずがない。
少し不安になって、私は部屋を出た。
廊下を通り、腐ったような階段を下りて。
玄関から外に出た私は、その場に腰を下ろして空を見上げた。
龍平が来なくて不安になった事に嘘はないけど、部屋を出た理由はそれだけじゃない。