「私? うん……確かにヒビは見えたけど。昨日の小野山さんの話だと、元の世界だと私は死んでるんじゃないの?」
「どうやら、相島さんが死ぬ前に、美紀はこの世界に逃げ込んだみたいね。だから、相島さんは元の世界でもまだ死んでいないはずよ」
美紗のその言葉を聞いた時、私の目からなぜか涙が零れ落ちた。
あれ?
何で私泣いてるんだろ。
美雪が死んでいないという言葉に反応したのかな。
「な、何にしても良かったんじゃない? 元の世界で死んでないって事は、カラダを全部集めても大丈夫って事だし」
涙を隠すように、慌てて袖でそれを拭って。
でも、美紗の表情は私の笑顔とは違って、少し悲しげなものだった。
「相島さんは、元の世界に戻った瞬間、死ぬ事になるわ。その意味、あなたなら分かるでしょ?」
今、生きてるって言ったばかりなのに。
元の世界に戻ったら死ぬってどういう事よ。
「うん。だから……まだ迷ってる。でも、皆の邪魔はしないよ」
「そう……だったら、話の続きをしましょうか」
何よ何よ……ふたりして平気な顔してさ。