「オーケーオーケー。この世界は誰かの思い出の中って事ね」
ギリギリ分かったワードを口に出して美紗を見ると、驚いたような表情を浮かべた。
「あら、意外と理解力があるのかもしれないわね。似たような物よ」
あ、いいんだ。
理解なんてまったくしてないんだけどね。
「その、誰かが気付き始めたと考えるべきね。どこまで知られているかは分からないけど、もしかすると排除しようとする動きがあるかもしれないわ」
美紗の話が分からない私はどうすれば良いんだろう。
排除しようとする動きって……何よ!?
「あ、もしも排除されたら私達、元の世界に戻るって事じゃないの?」
なーんにも解決されないけど、それならそれで良いような気がするのは私だけ?
「違うわね。排除とは死の事よ。いくらカラダ探しであなた達の魂をつなぎ止めてるとはいえ、世界に排除されたら終わり。その存在そのものを消されてしまうわ」
「あーもう! わけが分かんないっての! じゃあどうやって気付かれないようにすれば良いのよ!」