いや、そもそも意識の中ってさ。
まったくもって意味が分からないんですけど。
考えれば考えるほど、身体が斜めになって行く感覚に包まれながら、必死に理解しようとしたけど……無理だった。
「まあ、柊さんが理解できるとは思っていないわ。分かりやすく説明した方が良いかしら?」
ニヤニヤと笑って、私をジッと見つめる美紗。
答えは分かってるでしょうが。
簡単に言えるなら、最初から簡単に言えっての。
「はいはい、私が眠らないくらい簡単に教えてよ」
「フフ……そうね。柊さんは、小さい頃の事を思い出したり、未来の事を想像するのに、何年もかけるかしら? たとえば、来年の事を想像するのは一瞬でしょう?」
「あー、うん。そりゃあ想像だもんね。一瞬で好きなように想像できるわ」
「そう。私達は今、その一瞬の中にいるのよ」
なんか、当たり前みたいに言ってるけど、その中にいるっていう理屈が意味不明なんですけど。
でも、それを聞いてさらにわけの分からない事を言われても困るし……。