だとすると、あのキモい八代先生は実在したって事!?
まだ良く分からない話に首を傾げ、美紗の次の言葉を待った。
「あなた達は呪いを解こうと、美紀を消滅させる道を選んだのよ。赤い人と力を合わせてね。その結果、美紀は消滅する寸前で、誰かの意識の中に逃げ込んだの」
……どういう事?
赤い人と力を合わせて、美紀を消滅って。
どうやって赤い人と協力できるわけ?
あんな、猛獣みたいな怪物とさ。
「それが誰の意識かは分からないけど、美紀はそこで自分の肉体を形成する事ができなかった。その代わりに私という存在の中に逃げ込んで、私が生まれたの」
「ごめん、何言ってんのかさっぱり分からないわ。美紗が今年18歳で、生まれる前の話なわけでしょ? だったら、私が見た夢も18年前に起こったって事で、その時私は高校生で……」
「意識だって言ったでしょ? この世界で流れる時間と、元の世界で流れる時間が、等しく同じというわけではないわ。いえ、この世界での100年なんて、元の世界では1秒にも満たないでしょうね」
そんな話を私にされてもさ、分かるわけがないじゃん。
この世界の時間? 元の世界の時間?