こんな時は、龍平でも一緒にいてくれると助かる。
校門を通り、生徒玄関に入った私は、正面のショーケースをなるべく見ないように靴を履き替え、西棟に向かおうとした。
でも、龍平はマジマジとショーケースを眺めて立ち止まっていたのだ。
「龍平、あんた何してんのよ……」
「ん? いやな……俺が見た夢の中で、ここに俺達の首が並べられてたんだけどよ。やっぱりねぇな」
私はその言葉に耳を疑った。
「だーかーらーっ! あれは夢じゃなかったんだよ! 実際に起こった事なの!」
朝の教室、皆が登校してきたところで、私は夢の中のメンバーを集めて話をしていた。
「皆が同じ夢を見たんだもんね……だけど、夢じゃないなら、どうして私達は生きてるのよ」
「う! そ、それは……」
あゆみは分かってくれると思ったのに、まさかこんな反論をされるとは。
私は頭が悪いんだから、そんな事を聞かれても困るわ。
「あ……夢の中の女の子」
ハッと、何かに気付いたように声を上げた美雪。