「み、美紗……どうしたのよ!? 何であんた、そんなに血が……」


慌ててベッドに駆け寄って、その手に触れて見ると……腕がちぎれていて、ベッドの上に置かれているだけだという事に私は気付いた。


「ひ、柊さん……もう少し上に置いて……くれないかしら? 腕がまだつながらないのよ……」


腕が「まだ」つながらない。


これは、昨日のカラダ探しで赤い人にちぎられたの?


大職員室で見た時は暗くて分からなかったけど、今見ると、恐らくあの時に両腕を切断されていたのだろう。


肩で息をする美紗の両腕が、身体に寄り添うようにあったから。


「どう見ても大丈夫そうじゃないよね。あ、でも首とお腹はもう平気?」


腹部に風穴が開き、首を握り潰されていたはずの美紗の身体。


どういう理屈で治っているのか分からないけれど、昨夜負ったであろう胴体の怪我は、制服に血が付いてはいるものの、完全に消え去っていたのだ。


夜の学校で何度も死体を見てるし、ぺしゃんこに潰された健司の頭部も見たくらいだから、ちぎれた腕のひとつや二つ、あったところで別段驚きもしない。