今にも抜け落ちそうな柔らかい床。
きったない絨毯に隠れているけど、この上に乗ったら落ちるんでしょうよ。
「そんな見え見えの罠に引っかからないっての! おーい、美紗! いるんでしょ?」
美紗が使っている部屋は二階にあるから、危険な床を避けて階段に歩を進め、一段目に足をかけたその時。
ズボッ!と、段を上るはずが、踏み面をぶち抜いてしまったのだ。
「わ、私の体重が重いわけじゃないからね?」
と、誰に言うわけでもない言い訳を呟いて、慎重に階段を上り始めた。
これは……後から来る美雪とかは大変だわ。
繊細な私だから、辛うじて上れてるけど、がさつな龍平だったら全段破壊してしまいそうな気がする。
小さく悲鳴を上げながら、何とかたどり着いた二階。
美紗の部屋のドアを開けると……衝撃の光景が広がっていたのだ。
何……どうなってるの、これ。
この部屋だけはボロくなくて、何とかきれいな姿を保っているのだけど、ハッキリと分かる違和感。
可愛い机におしゃれなタンス。
なのに白く清潔そうなベッドに横たわる血塗れの美紗。