昨日までこんなのなかったのに、どうしてこんな……。
もしかして、私があんな夢を見たから!?
夢と同じように、この世界までヒビ割れちゃったの!?
うわぁ……気持ち悪っ!
皆はこの事に気付いてるのかな?
家の中はヒビ割れなんてなかったのに、外はまるで別世界。
「あら、留美子ちゃん日曜なのに早いのね。おはよう」
「え? あ、おばちゃん。おはよう」
と、隣のおばちゃんまで、ヒビと重なるとヒビ割れてる!
あまりにも異様な光景に、私はその場から動く事ができずに、しばらくの間、変わってしまった世界を眺めていた。
この世界のヒビ割れが、何を意味するのか知りもせずに。
学校までの道のりの途中にある美紗の家。
そこに移動する間の景色も、不自然に割れた空や地面が広がっている。
こんなのを見ていると、頭が痛くなってしまう。
見慣れた景色の、慣れないヒビにとまどいながらも、私はとにかく美紗の家に急いだ。
いったいどうなっているのか。
最初はただの待ち合わせのつもりで、皆にはそう指定したけど、あの夢を見てから何かおかしい。
いや、すでに今日を迎えた時点でおかしかったのかもしれないけど、どうしても奇妙な一致が気になってしまう。