朝食を済ませて家を出た私は、眩しい太陽の光を浴びて大きな伸びをした。


あー……気持ちいい。


ここ最近、曇った日が続いていたから、久し振りに朝日を浴びたような気がする。


学校へと向かう道を歩きながら、何気なく携帯電話を取り出していじくってみる。


登校中、仲の良い友達と会わなければ退屈で。


ただ歩くだけってのは、私には向いてないような気がする。


「はぁ。誰でも良いからいないかな」


と、私が顔を上げて辺りを見回した時だった。









「あ」










路地から大通りに差しかかった所で、道の反対側にいる龍平と目が合ってしまったのだ。


「いよう、留美子! 珍しいな、ここで一緒になるなんてよ」


いや、あんたを呼んだわけじゃないから。


そんな私の思いなど無視するかのように、道を渡って龍平が駆け寄ってきた。


「い、一応おはよう。ちょっと、近寄らないでよ……バカがうつるでしょ」


「それってひどくねぇ!? 何だかなー。夢の中の留美子は可愛かったのによ」