そんなわけあるはずないのに、こう言った誰も持っていない訳の分からない自信がすごい。
「なわけないでしょ? くだらない事言ってないで、早く行くよ。いつ美紗が殺されるかも分からないのに」
私達が全員殺されなくても、美紗が赤い人に殺されてしまえば、その日のカラダ探しが終わってしまうというのは厄介だ。
まだ校内放送は流れていないから、美紗は頑張ってるのかな?
「何ぃっ!? 美紗ちゃんも殺されるのか!? そうだったのかよ……そうと分かれば、明日なぐさめてあげなきゃだぜ!」
あんたの頭には、女の事しかないのか!
そんな龍平は置いといて、私はふたりと合流するために、部屋から出た。
あゆみ達は、この更衣室の隣の教室にいるはずだからと、そこに向かって歩き出した。
工業棟の一番北側。
何の教室だか分からないその中に入ると、まだ調べている途中のあゆみと美雪の姿があった。
「ふたりともどうよ? カラダ見つかった? こっちは何も……」
携帯電話の明かりを室内に向けて、そう言った時だった。
机の上に、不気味な存在感を放つ腕が目に入ったのは。
「あ、留美子。見ての通りだよ。これって……龍平のかな?」