でも……龍平は。
「まあ、平気じゃねぇよな。でもよ、俺はバカだから、世界が元に戻るとか言われても実感湧かねぇんだよ。この何日間の事も全部夢でな、カラダ探しが終わったら、俺はどこかで目が覚めるんじゃないかって、そんな風にも思うしよ。考えても仕方ねぇって思う事にしたんだ」
背後からの、ガサガサという音を聞きながら、私はカラダを探し続けた。
龍平のくせに。
そんな考え方だから、カラダが見つからなくて、日数が経過しても変わらずにいつもと同じなのかな。
私は死にたくはないけど、そんな風に考える事が少しうらやましくも思えた。
そんな話をしながら数分。
私と龍平は、工業棟最後の部屋、更衣室を調べてガッカリと肩を落としていた。
結局、二手に分かれてから見つけたカラダはひとつもない。
「なーんにもなかったね。早くここから出て、皆と合流しようか」
ハァッと溜め息を吐き、龍平に視線を向ける。
「そうだな。あゆみも美雪も、俺がいなくて寂しがってるかもしれねぇし」
マジで何言ってんのこいつ。