グチャッ!








という、妙な音を立てて、階段の方で何かが倒れたのだ。


赤い人にしては大きい。


通路誘導灯の光のせいか、緑色の誰かが二階にやって来たのだ。


「うぅ……はぁぁぁ……」


それは、低く、うなるような声を上げて、ゆっくりと立ち上がる。


な、何……こいつ。


赤い人だけじゃないの!?


奇妙な人影を見て、顔を引っ込めた私は、ふたりに伝えようと小さく呟いた。


「み、み、緑の人がいる……」


その言葉の後、緑の人は移動を始めた。


「緑の人って……何の冗談よそれ」


そんなのいるはずがないと言わんばかりの美雪。


「見れば分かるよ。何か臭いし、ヌルヌルしてそう」


そう言うと、美雪とあゆみは不思議そうに廊下に顔を出して、緑の人を見た。


そしてすぐに顔を引っ込めて、ガタガタと震え始めたのだ。


「な、何あれ……赤い人だけでもヤバいのに、何であんなのがいるの?」


「ね、ね、いたでしょ!?」


私が嘘をついていないという事を分かってくれて良かった。