美紗に言われて、美雪はハァッと重い溜め息を吐いた。
そんなに私と一緒に行くのが嫌なわけ?
まあ、私が悪いんだけどさ。
「分かったけど、これからどうするの? あゆみ達がこの部屋にいたって事は、私達とは反対側から調べたんでしょ? つまり、この階は全部調べ終わったんじゃないの?」
この口振りだと、残りの部屋は美雪達が調べたんだろうな。
「だったら後は……生産棟の二階の半分と、工業棟くらいかな?」
調べていない場所が少なくなっている。
だけど、それなのにカラダの数は少なくて。
皆がどこで、誰のカラダを見つけたのかを把握しておかないと、二度手間三度手間になるのは目に見えていた。
「ところでさ、あんた達は今までどこにいたの? 私達が工業棟とこの階を調べてる間に」
美雪は私達がどこを調べたのかは知らない。
美紗がそれを伝えてくれていれば良いけど、その話をしたかどうかも覚えていないし……期待は持てない。
「それは相島さんに聞きなさい。今の柊さんのパートナーは、私じゃないんだから」
と、冷たい返事。
いや、私と美雪を仲直りさせようと、美紗なりに気遣ってるのかな。