目を細めて私をチラリと見ると、小さく呟いた。


「殺されたの?」


美雪にしてみれば、直接じゃないとはいえ、胸を揉まれた相手なわけで。


心中穏やかではないはずなのに、いつもと変わらない様子だ。


「分からないけど、たぶん。隠れてても、赤い人は匂いで私達を探すでしょ? 絶望的だよ」


「ふーん……」


私の言葉には、その一言だけ。


まだ怒ってるんだろうなあ……。


いくら私が仲直りしようと思っても、美雪がこれじゃあ。


「このままじゃダメね」


今の状況を知った美紗が、少し大きめの声で言い放った。


確かに、人数が少なくなれば、調べられる部屋も少なくなる。


皆が協力すれば、カラダを全部見つける事も難しくはないのに。


「柊さんと相島さんがそんな調子じゃダメよ! ここからはふたりで行きなさい」


ダメって……そっちの話!?


私達しかいないとか、その話じゃなくて、私と美雪の関係についてですか!?


「ちょっと小野山さん、どうしたの急に。今まで一緒にいたのに、どうして私が留美子と……」


「どうしてもこうしてもないわ。いざという時に、相島さんはひとりでどうにかできるの? 頼れる人は多い方が良いわ」