お? 私を無視ですかい? 良いよ良いよ、それなら私も無視するから! ……なんて、いつもならそう思うんだろうな。


でも、今回ばかりは違っていて。


何とか美雪と仲直りしないといけないと感じていた。


それは、美雪がカラダをどれだけ見つけたのかを知りたいという事もあるけど、仲が悪いままじゃダメだと思うから。


「ま、まあ、あんたらも無事で良かったよ。心配してたんだから」


何とか話に入ろうと笑顔を取りつくろってそう言ってみた。


私のその言葉に、驚いた様子の美雪。


でも、それ以上に驚いていたのは美紗だった。


「気持ち悪いわね……いったいどうしたのよ柊さん」


何であんたがそれを聞くのよ!


美雪のセリフでしょうが!


「なんかね、留美子は少し変わったみたい。大人になったって言うか、やっと成長できたって感じかな?」


「あゆみ、あんたも何気にひどいね。私は常に成長してるっての」


失礼な言葉にも怒らないなんて、私はなんて大人なんだろう。


そんな事を思いながら、チラチラと美雪の方を見ると、美雪も私を気にしているのか、気まずそうに美紗の背後に隠れて、私が見えない位置に立つ。