死ぬ、死ぬ、殺され……って、あれ?
赤くない。


「ひ、柊さん……人の顔を見て叫ぶなんて失礼ね」


はぁ!? こ、この声は……美紗!?


慌てて机の下から飛び出して確認してみると、そこにいたのは美紗。


そして……美雪の姿があったのだ。


「あ、あんたねぇ! こんな時に何小学生みたいな事してんのよ!」


まだドキドキが治まらない。


いや、それよりも……美雪がここにいる事に対する気まずさの方が勝っていた。


「小野山さん、ずっと美雪と一緒にいたんだ? だったら赤い人も怖くないね」


この空気の中、何を話そうと迷っていたら、あゆみが微笑んでそう尋ねた。


「そうでもないわ。私がカラダ探しをさせているとはいえ、赤い人を制御できるわけじゃないもの。私だって毎晩殺されているのよ」


サラッと、小さな希望でさえなくなる美紗の言葉に、私はガッカリした。


それは私も考えてはいた事だ。


美紗といれば、赤い人を恐れる事なく、カラダ探しができるんじゃないかと。


「だから、小野山さんが殺されてしまうと、その日のカラダ探しが終わっちゃうの。私達が殺されなくてもね」


私の方を見もせずに、美雪はあゆみに答えた。