そう言えば昨日、赤い人がいた教室はここだったんだよね。
後ろの高い所にいたから、赤い人の上半身まで見えたんだ。
あの身長なら、胸から上くらいしか見えないはずだもんね。
「さてと、さっさと調べてこの階を終わらせようよ。まだ工業棟も残ってるわけだしさ」
小さな階段を上り、教室の前方を照らして、あゆみが言った。
工業棟か……龍平を置いてきてしまったけど、今頃はどこかで血を流して倒れてるんだろうな。
健司の無惨な死に方を考えると、龍平もとんでもない殺され方をしたんじゃないかと思ってしまう。
「どうよあゆみ、そっちはあった?」
「もう少しで終わる……って、見つからなかったよ」
地学室を調べ始めて数分。
収納がまったくないこの教室は想像以上に早く調べ終わり、私達はカラダが見つからなくて溜め息を吐いた。
「こんな変わった教室だから、カラダがありそうだったんだけどなぁ」
「そうだよ、何かありそうな教室なんだから、カラダのひとつやふたつ、置いとけっての!」
なんて言っても、ここと似たような視聴覚室にもなかったんだよなあ。
特殊な教室は、あるように見せかけてなかったりするのかな?
「まあ、今さらなかったからって落ち込んでられないよね。ここにないなら隣の部屋に……」