「調べてたのなら、たぶんね」


どうせこれも取り引き材料に使うつもりだったんだろうけど、それもできなくなったね。


自分が管理するとか、偉そうな事を言ってないで、皆で協力すれば良かったのに。


カラダが見つかるたびに、健司の計画が崩れて行くようで、私としては良い感じで進んでると思うんだけど……。


どうしようもなくなった時の健司の行動が怖くもある。


「さて、この部屋にはもうないみたいだし、音楽室に行こうか」


「そうだね。次々探さないとね。なんだか今日はいっぱい見つかるような気がするよ」


いつになくやる気満々のあゆみ。


教室の外には健司の死体があるから、後ろのドアから出ないとね。


「そうだと良いんだけどね。なんか赤い人が怖いよ。匂いを嗅いで人がいるか判断するんだよ? どうやって逃げるっての?」


廊下に出て、階段を越えて、私達は音楽室に入った。


赤い人と同じ部屋にいたら、まず間違いなく見つけられてしまうから、そうなるのは避けたい。


「なんで音楽室って臭いんだろうね。うちの学校、靴脱がないのにさ」


「あー、分かるわ。独特の匂いだよね」


まあ、今はそんな事どうでも良いんだけど。