「ふぎゃああっ!」












そこに入っていた誰かの手に驚いて、私は声を上げた。


「どうしたの!? カラダが見つかった!?」


私のおかしな悲鳴に反応して、あゆみが駆け寄る。


カラダを見つけたんだけど、のぞき込んだら目の前に手があるんだもん……驚くよ。


「あー、びっくりした。これは誰のだろ? 私の……じゃないみたい」


そっとそれに触れてみても、例の光は出なくて。


さらに良く見てみれば、左腕だから私の物ではない事が分かった。


「もしかしてこれ、あゆみのじゃない? 触ってみ」


背後にいるあゆみに視線を向け、左腕を指差すと、小さくうなずいたあゆみが机の中の左手の指先にそっと触れる。


瞬間、パアッと光が広がり、左腕はあゆみの中に吸い込まれて消えたのだ。


「やった……やったよ留美子! 私のカラダだった!」


「良かった良かった。ん? ここにあったって事は、健司もこれを見つけたのかな?」


あゆみのカラダが見つかった事は本当に良かったんだけど、私達が見つけたという事を、死んだ健司は知らないんだよね。