「だけどさ、私達が先にカラダを全部見つけたら、それはうまく行かなくなるわけでしょ? 失敗する可能性が高いじゃん、そんなの」
今、私にはあゆみと龍平がいる。
美雪には今日は美紗が付いてるから、健司はひとりで動いていたと思う。
だったら、人数が多い私達の方が圧倒的に有利なのに。
「健司はさ、理恵さんの事となると、見境なくなるとこがあるでしょ? お兄ちゃん、それで怒った事があるもん」
「それは……否定しないけど。難しい事は起きてからにしよう。朝起きたら、私の家に来てよ」
私の言葉に小さくうなずき、再び教室を調べる。
考えてもいなかったなあ……。
理恵さん絡みか。
もしもそうだとすると、とんでもなく面倒な事になりそうだよ。
健司の、理恵さんに対する想いは異常っていうか。
下手したらレイプとかしかねないから。
そのためには人を殺しそうな、危険な香りがするんだよなあ。
そんな事を考えながら椅子を引き、机の中をのぞいた時……。