「うぷっ! おえっ……はぁ、はぁ……ごめん留美子、私吐きそう」


吐きそうと言いつつも、どうしても吐く事ができないみたいで。


「あ、あゆみ……移動しよう」


何とかここから離れようと、床を這って廊下を移動する。


「留美子、起きられる? ほら、手を貸すよ」


気分が悪くて、顔が真っ青なのに、私に手を差し出してくれる。


私はその手をつかみ、壁を伝いながらゆっくりと立ち上がった。


膝が震えて、思うように立てない。


「それにしても……健司は何だってあんな死に方を……」


自分で言ってても、考えただけで気持ち悪くなる。


「ぺしゃんこだったね……脳みそとか、絶対に飛び散って……うっ、また吐きそう」


「自分で言って、気持ち悪くならないでよ! た、楽しい事だけ考えよう。うん」


カラダ探しの最中に、楽しい事なんて考えられるはずないのに、私は何を言ってるんだろう。


だけど、そうでも言わないと私も考えちゃうし。


「む、無理だよぉ……だってあれだよ? あんな気持ち悪いの見た後で、楽しい事なんてさ」