あゆみも同じ事を考えていたのだろう。


できるなら龍平を助けて、皆で一緒にカラダを探したいけど、あいつがどうにもできない状況を、私達がどうにかできるなんて思えない。


だから、私達は少しでも長く生きて、ひとつでも多くのカラダを見つけなければならないのだ。


足音を立てないように、それでも急いで小走りで生産棟へと向かった私達。


いつ、背後から龍平の悲鳴が聞こえるか怖かったけど……少なくとも、生産棟に入るまでは聞こえる事はなかった。


生産棟に入って一番近い西棟寄りの階段を上りながらも、気になるのは工業棟に残っている龍平の事。


なんだかんだ言っても、あいつは結構カラダを見つけてるし、それにまだ昨日見つけたカラダの場所を聞いていないから。


こんなに早く死なれると困るのだ。


「あ、そう言えばまだ言ってなかったよね? ここの二階にさ、留美子の脚があったよ」


踊り場にたどり着いた時、あゆみが思い出したように口を開いた。


「えっ!? マジ!? どうしてもっと早く言ってくれなかったのよ!」