「そ、それなら私はもう一度生徒玄関を調べてくる。行こ、留美子」


私はあゆみに引っ張られるようにして生徒玄関の方に向かった。


いくら遠い場所が良いからとは言え……あの首が並んでいる場所の前を通らないといけない。


しまったなあ……こんな事なら、他の場所にすれば良かった。


「ねぇ、留美子は信じる? カラダを探さないと死んじゃうって話」


歩いている途中で、あゆみが小さな声で私に尋ねた。


「そんなの……信じるわけないじゃない」


この学校がどうとか、あの首は何だと言われると困るけど、そんな話は信じたくなかった。


「でもさ、私達は殺されてここにいるんだよね? だったら、死んだ夢でも見たって言うの?」


あゆみの言葉を深く考えると、何がなんだか分からなくなってくる。


殺されたのが夢だとすると今は現実で、今が夢だとすると殺されたのは現実なわけで……。


「あー、無理。私にはさっぱりだよ。とにかく早く出ようよ、ここからさ。あっち調べてくるから、ドアが開いたら教えてね」


「うん、分かったよ」


私はあゆみに手を振り、西棟へと急いだ。