さっきの教室と足して2で割ってもまだ、大変な方が勝ってるような気がする。
「……カ、カラダがある事を信じて調べようか。なんかテンション下がるけど」
調べる場所が多ければ、カラダがあるかもしれないという期待は高まるけど。
それにしてもこの部屋の無駄な収納の多さは、私のやる気を削ぐには十分な物だった。
この教室を調べ始めて数分。
赤い人の移動を教えてくれる校内放送は流れず、その事に安心はするものの、まだこの教室を調べられずにいた。
なんせ収納が多すぎて……。
「どう? そっちはカラダ見つかった?」
「まだー。留美子はどうなのよ?」
「見つかるはずないじゃん。見つかったら言ってるよ」
「だよねー」
会話も、テンションの下降と共にどんどん少なくなっていく。
龍平に負けてられないとかいう意気込みはどこに行ったのやら。
戸棚を開けては閉め、開けては閉めを繰り返して、どんどん私は苛立ち始める。
何なのよ……何でこの部屋はこんな収納の使い方してんのよ!
中に入ってる物より、外に出てる物の方が多いじゃないの!
しかも、収納の中が空っぽってわけじゃないから、調べるのに時間がかかるし!