あー、ここに来て、また大事な事を話してないのに気付かされた。
カラダ探しが始まる前に聞いて、回収しに行かなきゃならないのに、私はどうしてそれを考えなかったのか。
「どこに誰のカラダがあったかな……私は自分のカラダばかりだったから助かってるけどさ」
なーんか忘れてるような気がするけど、まあ後で思い出せば良いか。
「フフフ、喜べあゆみ。お前の右腕は、俺が見つけてやったぜ!」
自信満々に、龍平があゆみの肩を抱いてニヤリと笑う。
こんな姿を武司さんが見たら……間違いなくボッコボコにされるよ?
「え! 本当に!? ありがとう龍平」
そう言いながらも、龍平の手を払い除ける。
まるで、ゴミでも払うかのように。
「場所は生産棟の一階、一番東棟よりの教室だから、行ける時に行ってくれよ」
私は、龍平のその言葉に驚きを隠せなかった。
まさか、龍平が何の見返りも求めずにカラダの場所を教えるなんて。
「龍平……何があったの? 私はてっきり、『教えてやるからキスしてくれ』とか言うかと思ったのに」