「何言ってんのよ! あんたが変な事をしたから、私達がひどい目に遭ってるんじゃない! 赤い人を生き返らせないで!」


そう叫んでも男性はやめようとはしない。


いつの間にか手にしていた本に視線を落とし、何語とも分からない言葉を変わらず呟いている。


こんな事で、本当に死んだ人が生き返るはずがないでしょ?


大人なのに、それも分からないの?


いくら叫んでも、止めようとしても、思い通りにならない感覚に苛立ちながら、それでも私は必死に男性を制止しようとした。


だけど、そんな思いもむなしく儀式は続く。


男性が赤い人に背を向けて、テーブルの上に置かれた物を照らし出す。


そこには、美紗の家で見たあの壷と、何やらわけの分からない物がたくさん置かれていたのだ。


赤い人を生き返らせるために必要な物なのか、男性はそれらを次々と壷の中に入れて行く。


そんな事したって、生き返るわけないよ。


それどころか、とんでもない化け物になっちゃうんだから。


私がそんな事を思っていると……。