赤い人?
もしかして、私を殺したのが赤い人なの?
そうだとしたら……この学校の中にいるって事になるよね?
「とりあえず、職員玄関の方に行ってみようぜ。皆で行動した方が良いだろ?」
「そりゃさ、夜の学校なんて怖いし、まとまって動いた方が良いよ。うん」
いつの間にか龍平が場を仕切っている。
それが嫌なわけじゃないけど、頭が悪い龍平に付いて行く事に、少し不安を感じていた。
「でもよぉ、俺達を脅かすためにあんなのを用意したってなら、大成功だよな。俺、危うくションベン漏らしそうになったぜ」
う……私は龍平と同じレベルだったって事?
「私もー」なんて、口が裂けても言えないよ。
龍平のどうでも良い感想を聞きながら、やって来た職員玄関。
ドアに近づき、取っ手を持った龍平の肩に力が入る。
「……ダメだ、開かねぇ」
押しても引いても、ピクリとも動かないドアを前に、龍平があせりを見せる。
「他の場所も調べてみようよ。今度は手分けした方が良いかも」
「そうだな、その方が早そうだ」
ちょっとちょっと、皆本気!?
夜の学校の中なんて、私は動き回りたくないよ!?