「あー……何だか分からないけど、留美子がそんな事言うなんてどうしたの? いつもなら言われる方なのに」
大きなあくびをした後に、あゆみが不思議そうに首を傾げる。
「わ、私だってそれくらい言うっての!」
「そうね。柊さんも少しは人の心が分かるようになってきたって証拠かしら?」
まるで私が、他人なんてどうでも良い、自分勝手な奴みたいな言い方だけど……当たってなくもないか。
「それより、この後何かするのか? 用事がないなら、帰って昼寝でもしたいんだけどよ」
話の間中、眠っていた龍平が、目をこすりながら尋ねた。
地下室を見つける事が美紗の目的なら、もう何もする事がない。
解散しても良いかな。
何かあったらまた連絡するという事で、とりあえず解散する事になった。
私達が道を歩いている時に、翔太さんが慌てて家を飛び出したみたいだから、美雪の家に向かったんだろう。
翔太さんと美雪の事を考えながら家まで歩いて、朝食を買いに出てからようやく帰る事ができた。
「はぁ……やけに濃い一日だったな。私も昼寝しようかな」