もちろん、あゆみと龍平がいてくれた方が、信憑性が増すと思うから。
「翔太さんかぁ……怒るかもよ? 大好きな彼女にひどい事言ったって分かったらさ」
「ふ、不安にさせないでよ! ただでさえ翔太さん、ちょっと苦手なのに」
昔、テスト前に勉強を教えてもらったりしてたけど、教え方がスパルタすぎて、苦手意識が芽生えた。
「俺も苦手なんだよなあ。頭良い奴の話は、わけ分からないんだよ」
龍平も一度、私と一緒に勉強を教えてもらって、喧嘩になりそうになった事があるのだ。
「まあ良いわ。相島さんと柊さんの関係が悪いと、私としても困るもの」
「良かった……私だけだったら、説教されて終わりだもん」
「話をするのは良いけど、相島さんに謝るのよ。このままで良いわけはないのよ?」
それは分かってる……だけど、美雪が会ってくれなければ、謝る事もできないのだ。
不安を抱いたまま、翔太さんの家に向かう私と、他3名。
翔太さんの家は、学校を通り過ぎてしばらく行った所にある。
美雪の家も、近くにあるからそれだけで気まずい。
昨日から降り続いていた雨もやんで、空には少し晴れ間が見えている。