今日、会ったばかりの高広さんまで、美紗の話に聞き入っている様子で、私は少し怖くなった。


龍平とあゆみは、この話を聞いてどう思うだろう?


内緒にしておいて、龍平を犠牲にこの世界を続けようとしたけど……。


どんな答えを出すのか、それが不安だった。


美紗が話し終わったのは、それから30分後の事だった。


私達に分かるように、あまり難しくない言葉を選んだ美紗の話は、私でも十分理解できる内容で、今日もまた新たに衝撃を受けてしまった。


元の世界では、あゆみ以外皆同級生だったとか、赤い人が小野山美紀を消滅させようとしたとか……作り話のような内容だったけど。


「私、そんな死に方したんだ……皆と友達でもなかったなんて、ショックだな」


うつむきながら、寂しそうな表情を浮かべるあゆみ。


「まだあゆみはマシだぜ。存在すらしない俺は、だったら何のためにカラダ探しなんてしなきゃならないんだよ」


涙声で、龍平は今にも泣き出してしまいそう。