「ここから出る方法はひとつよ。すべてのカラダを見つけた時、このショーケースは開かれる……」
ショーケース?
少女の声に、振り返った私達は……照明が当てられた、生徒玄関の正面にあるショーケースの中に、一列に並んだ人間の首を見てしまったのだ。
「い、いやあああああっ!」
「う、うわっ! マジかよ!」
突然浮き上がった5つの首に、私達は声を上げた。
何よこれ、絶対に普通じゃない!
もうおしっこチビりそう!
「生きたければ、カラダを探しなさい。でも、ここには赤い人がいるから気を付けて。歌が歌われたら……近くにいるから」
どこにもいない少女の声が聞こえて、それっきり聞こえなくなった。
「お、おい! 詳しく説明しろよ! 何がなんだかさっぱり分からねぇよ!」
バカな龍平も、理不尽な状況に声を上げる。
「皆……あの首は……俺達の首だ」
怖いのか、怖くないのか……健司がショーケースの方を指差して、そう呟いた。
「そんなわけないでしょ! じゃあここに付いてるのは何よ!?」