でも私は、美紗が言った「本当のカラダ探し」という言葉が、なぜか頭から離れなかった。
高広さんが部屋から出て、美紗もというところで、私はその肩をつかんで部屋の中にとどまらせた。
「どうしたの? とりあえずこの部屋を見つけた事だし、今は一階に行きましょう。そろそろお昼になるわ」
階段を指差して、私の目をジッと見る美紗。
確かに美紗の目的は果たせたかもしれない。
だけど、それよりも気になる事があって、聞いておかなきゃ落ち着かないから。
「もう、何を聞いて良いかも分からないけど、高広さんと私が知ってる、本当のカラダ探しって何? あんたが知ってる事を全部教えてよ」
美紗が言ってた、元の世界の話かもしれない。
そうだとすると、自分が知らない世界の事を、どう尋ねれば良いのかなんて分からないから。
「……皆に言わなくて良いの? ここで言わせるつもりかしら?」
「あゆみと龍平は……世界が元に戻ったら、いなくなるんでしょ? あんたはどう思うの? 聞かせるべきなのかどうか」
「池崎君はともかく、袴田さんは昨日、少し知ってしまっているのよ? 黙っているのもどうかと思うわね。でも、それを決めるのは私じゃないわ」