あゆみと龍平は本当のカラダ探しを知らない?
そう言えば最初の日に、美紗は「私のカラダ探し」とか言ってたような気はするけど。
「おいおい、カラダ探しって何だよ。俺はそんなの知らねぇぞ? 誰かと間違えてるんじゃないのか?」
顔を美紗に向けて、高広さんが困惑気味に尋ねる。
もしかすると、美紗は私にその事を話していたかもしれない。
だけど、世界が変わるとか失敗したら死ぬとか、衝撃的な話が多すぎて、言ったかどうかも定かではなかった。
「フフッ。信じられないのも無理はないわね。まあ、伊勢君には関係のない話だから、忘れてくれるかしら?」
美紗の言葉に、納得していないような表情を浮かべて首を傾げる高広さん。
これが翔太さんだったら、すかさず問い詰める展開になってたんだろうけど、どうもそうはなりそうにない。
「おかしな奴だな。まあ良いけどよ。で? この部屋が不気味なのは分かったけど、何をすれば良いんだ?」
「今は何もできないわ。この部屋を見つける事が重要だったの。とりあえず、上にいるふたりの所に戻りましょうか?」
何事もなかったかのように再び話し始めるふたり。