「この部屋で蘇生術が行われたのは間違いないみたいね。そのせいで、赤い人の魂が闇に囚われてしまった」


「いやいや、そんなしみじみ言われても。これをどうにかすれば赤い人がいなくなるってわけじゃないの?」


私の問いに小さく首を振り、部屋の中央へと歩を進める美紗。


そして、ゆっくりと屈むと、床に書かれた模様を指でなぞってみせた。


「今は無理。だって、まだ身体の一部を見つけていないもの。それにあなた達のカラダ探しも終わってないから」


あー、言ってたねぇ。


最初は私達が全員のカラダを見つけないといけないって思ってたけど、美紗もひとりで例の身体の一部を探してて。


それが終わらないと何もできないのかな。


「これが本物の魔方陣ってやつか。お前らの話は良くわかんねぇけど、ヤバそうだって事は分かるぜ」


美紗に近づいて、その前で屈んだ高広さんが、床の模様を見て呟いた。


勉強できないのに、そんな言葉だけは良く知ってるね、高広さんは。


アニメとかで良くある、魔法使いが魔法を使う時に足元に浮き出たりするあれの事かな。