「留美子は行かないの? あの子が何を見せてくれるか気になるじゃない」


美雪だけは私に賛成してくれると思ったのに……ひとり置き去りにされた私は、仲間外れにされたような寂しさに襲われ、慌てて生徒玄関に駆け出した。


「み、皆待ってよぉ!」


少女に導かれるままに、生徒玄関の中に入った私達。


そこは照明もなく、ただ暗いだけの空間。


「こんなとこで、私達をどう信じさせるって言うのよ……」


あゆみの声が、シンと静まり返った生徒玄関の中に響き渡る。


「あなた達は、自分のカラダを見つけなければならない」


暗くて分からないけど、あの少女の声がどこからか聞こえた。


それはまるで、正面からとも、背後からとも思えるような、四方から聞こえているような声。


そして……。







キィィィィ……。







誰も触っていないのに、背後のドアがゆっくりと閉まったのだ。


「え? 嘘! ドアが開かない!」


慌ててドアに駆け寄った私は、力一杯押してみたけど開かない。


「冗談はやめてよ。ドアが開かなかったら、私達どうやって出れば良いのよ」


美雪の質問に対する答えを、私は持っていない。


それが分かっていれば、こんなに慌てていないだろうから。