「……そうね。そんな姿をこの家が望んでいるとは思えないわ。きっとそこに何かあるのよ」


テンション低っ!


新しい発見をしたなら、もっと喜んでくれても良いのに。


まあ、今の段階ではまだ「怪しい場所を見つけた」ってレベルなんだけどさ。


「とりあえず行ってみましょう。見てみないと分からないわ」


美紗がそう言い、私達はこの空間の隣にある部屋の前まで移動した。


倉庫のドアを開け、その中に入ると、相変わらずほこりっぽい空気が漂っている。


そして、縦に細長い部屋を見回した美紗がボソッと。


「良く見ればここ、倉庫じゃないわね」


こんなにほこりっぽくて、棚とか物が乱雑に置かれているのに、倉庫じゃないなんて。


「だったら何だっていうの? まさかここが、探してる部屋だって言うつもり?」


「まさか。でも、不自然な所がこの部屋にはあるわ。見て、奥の棚を」


そう言って指差した部屋の一番奥にある棚。


パッと見、特に変わった様子はないと思うんだけど……。


「あ、そう言われてみれば……奥の方だけあまり物が置かれてないね。普通、倉庫って奥から物を置かない?」