それより……美紗は不思議な力があるんだから、入り口がどこにあるかくらい分からないのかな?


そう考えながら、私はあゆみと一階に向かった。


地下室を探すという事で、再度一階を調べ始めた私達。


だけど、床にもそんな入り口らしき物はどこにもなくて。


美紗と高広さんが二階から下りて来たのは、私達が調べ終わって、階段の下で話をしていた時だった。


「ふたりとも遅い! もう探すだけ探したんだよ!」


大あくびをしている高広さんと、慌てる様子もない美紗に、私は思わず怒り気味に声を上げた。


「ごめんなさい。伊勢君が全然起きなくて。それより、地下室は見つかったの?」


「すまねぇ美紗ちゃん。どこにもそんな物はなかったんだ」


美紗の質問に、龍平が悔しそうに顔をしかめながら答える。


「おかしいわね……どこかに間違いなくあるはずなんだけど」


「おかしいも何も、どこの部屋も隅々まで探したよ? 絨毯の下もさ。なのにないんだから」


うんうん。


あゆみの言う通りだ。


一階にあるすべての部屋や廊下を、これでもかってくらいに調べたんだから。