高広さんは昔から、難しい話になるとすぐ寝てたからなあ。
いや、難しくなくても寝るか、この人は。
「人選間違えたよね、完全に。それより調べ物って、部屋がどこにあるか分かったの?」
私がそう尋ねると、美紗は首を横に振り、開いていた本を閉じた。
「ダメね。改めて分かった事は、この家に地下室があるって事くらいで、その入り口がどこにあるのかは不明のままね」
地下室って……やっぱりどこかに隠し扉があるって事?
でも、地下室に行くような入り口も階段も見当たらなかったし、私達の探し方が足りないのかな。
「ますます隠されたスイッチがありそうな気がしてきたな。俺の推理は正しかったわけだ!」
龍平が調子に乗って、さっき倉庫で言っていた意見を押し出して来た。
あるはずないと思うけど、ここまで見つからないと、その可能性もあるんじゃないかと思ってしまう。
「それは考えてなかったわ。じゃあ池崎君、その隠されたスイッチを探してきてくれるかしら?」
「任せてくれよ美紗ちゃん!」
良いように美紗に乗せられて、龍平は再び一階へと走って行った。