自分のカラダを探せとか言われても、じゃあこのカラダは何なのさ。
こんなどうでも良い作り話は終わらせて、早く家に帰りたかった。
私達の態度を見て、少女はどう思ったのか……。
クルリと踵を返して、生徒玄関へと歩き出したのだ。
「信じられないと言うなら付いて来なさい。嫌でも信じさせてあげるわ」
背中を向けたまま軽く手を上げて、クイッと指を動かす少女。
「付いて……来いって。まあ、皆で行けば大丈夫だよね?」
不安そうなあゆみの言葉で、私まで不安になってくる。
大丈夫かどうかなんて、私が分かるわけないじゃない。
「でもまあ、行ってみないと分からないよな。夜の学校なんて、めったに入れねぇんだから行こうぜ」
何も考えずに行動できる龍平がうらやましいよ。
帰ろうとしてたのに、簡単に話に乗せられてるじゃない。
「何言ってんの、私は嫌だからね! 早く帰りたいの!」
と、反発してみたものの……他の4人は当たり前のように生徒玄関へと移動を始めていたのだ。