「フフッ、ありがとう。話を続けるわね。でもね、父親はそれらの術の修行を積んだわけでもないし、うまくできるはずがなかったの」


そう言えばそんな事を言ってたよね。


失敗したってさ。


そりゃそうだよね。


生き返ってたら、赤い人なんて悪霊になるはずないもんね。


「うまくは行かなかった……だけど、何もなかったわけじゃないの。カラダを集めたけど、実は女の子のカラダは一部分だけ回収されなかった」


それが……美紗が夜の校舎で探しているという物なんだろうか。


一部分がない女の子がどうなったのか。


普通なら死んだまま、生き返る事なんてないはずだけど……赤い人がいるって事で想像がつく。


「もともとこの土地は霊が集まりやすかった。そこに来て、父親が施した蘇生術で入り口が開いてしまったの。女の子は生き返らなかった……さらに、女の子の霊は悪霊達を取り込んで……赤い人になったの。いえ……取り込まれたのかしらね」


うーん、所々意味が分からない部分はあったけど、大体分かったかな?


「想像以上に難しい話だな、おい。つまり何か? 赤い人ってのは、父親のなんとか術が失敗して生まれた……って事か」


意外な事に、高広さんが理解している。