「はいはい、龍平の相手をしてたら、話なんて進まないっての。今日は何をするのか、説明してくれない?」


どうでも良い龍平の話に対して、真面目に答える美紗に、私は首を横に振った。


まさか夜までかかるとは思わないし、そうなりそうだったら高広さんを帰らせれば良いだけなんだけど……。


この男は、一度首を突っ込んだら最後までトコトンやるタイプだから心配ではあった。


「こんなに人が来るとは思ってなかったから、何をしようかしらね。楽しくお話でもする?」


フフッと笑いながら、皆の顔を見回す美紗。


まあ、あゆみがまだ来てないから、何でも良いんだけどね。


カラダ探しの事とか、赤い人の事とかを話しても、高広さんには分からないだろうから。


あたしも、健司の事をどう話すべきか迷ってるし。


「じゃあ、まずは赤い人の事から話しましょうか」


……って、話すのかい!


関係ない高広さんの立場は!?


この子は……相変わらず空気読まないんだから。


「おぉ? 赤い人ってあれか? 前に誰かが言ってたやつだな?」


持っている知識をフルに引っ張り出して、それしか知らないのはさすがだ。