「何でも良いでしょ! 高広さんには関係ないじゃん! 私と合わなかったんだよ、あのふたりは!」
そりゃあ、美雪には悪い事したかなって思うし、後悔してるけど。
健司は別!
この状況で、カラダがどこにあるか教えないとかありえないっしょ!
だから、許すつもりもないし、健司なんかには負けたくないから。
「ま、まあ良いんだけどよ。何か変な事に巻き込まれてんなら、いつでも言えよ? 俺が出て解決できるなら、力になるからよ」
高広さんは優しいんだよね。
私がこんな言い方したら、他の皆なら怒るところだけど、それでも気遣ってくれるしさ。
「優しいのね、伊勢君は。でもダメよ。あなたでは力になれない」
「いやいや、何であんたが言ってんのよ。何だったら高広さんに手伝ってもらおうよ、それで力になれるかどうか分かるでしょ?」
……何で私はこんなに必死になってるんだか。
高広さんの事を何も知らない美紗が、こんな事を言うのに腹が立ったのかな。