だって、学校がある日はほとんど一緒に遊んでたわけだし。


「んー? そうかぁ? つい最近の事みたいに感じるんだけどなぁ」


暗い空を見上げて、何やらブツブツと呟いている高広さん。


「ねぇ、柊さん……」


そこまで深く考えるような事かな?


勘違いなんて誰にでもあるし、私なんてしょっちゅうだけど。


「聞いてる? 柊さん」


そもそも高広さんなんてそんなに頭良くないんだし、勘違いしてても誰も気にしないっての。


「柊さんってば」


「あーもう! さっきから何なのよ! 聞こえてるっての!」


用事があるならさっさと話せば良いでしょ!


返事をしないと何も言わないのかね、この子は!


「伊勢君、困ってるようだけど大丈夫かしら? 混乱してるわよ?」


「いいのいいの、高広さんの事は気にしなくて……って、あれ? あんた、何で高広さんの名字が伊勢だって知ってんの?」


私は教えていないはずだし、高広さんも名乗っていなかったのに。


不気味だ不気味だとは思っていたけど、まさかここまでとは。


「フフッ、どうしてかしらね。ところで柊さん。退屈なら、伊勢君も一緒にどうかしら?」