「それは分からないわ。だから、いろいろ試すんじゃないの」
そう言えば、美紗が探してた物は見つかったのかな?
それがなければダメだとか言ってなかったっけ?
あれ? それとは別の話だっけ?
まあいいや。
「お前ら、何の話をしてんだよ。またくだらねぇ悪だくみか?」
つまらなさそうにあくびをしながら、高広さんが尋ねる。
「私がいつ悪だくみしたって言うのよ……高広さんを巻き込んだ事なんて一度もないはずだけど」
一応先輩だしね。
形だけでも尊敬はしてるつもりだし。
「よく言うぜ。いつだったか、俺と明日香を屋上に置き去りにして、皆で遊びに行ったくせによ」
は?
そんな事あったっけ?
いくら思い出そうとしても、その光景を思い出す事ができない。
きっと、高広さんは勘違いしてるんだと思った。
「何をバカな事言ってんのよ。高広さんがいなかったら、誰が私におごってくれるって言うのよ? だから、それは絶対にないね」
もしかして、私が入学する前の事を言っているんじゃないの?