ニタリと不気味な笑みを浮かべて、私と高広さんを見る。
「おい留美子、こいつ大丈夫なのか?」
高広さんの質問にどう答えて良いやら。
何に対して大丈夫と言えば良いのか悩むところだ。
「どうでも良いけど、こっちに来て雨宿りしなよ。ほら、肉まんあげるからさ」
コンビニ袋をガサガサと音を立てて、3つのうちひとつを取り出して見せた。
すると……。
「悪いわね。ありがたくいただくわ」
今まで駐車スペースで雨に打たれていた美紗が、私の隣で肉まんに手を伸ばしていたのだ。
「何っ!? いつ動いたんだよ!?」
その動きに、高広さんが驚いて声を上げた。
美紗の不気味な行動は、私はもう慣れたから平気だけど、高広さんはそうじゃないんだろうな。
肉まんを高広さんにも渡して、私達はささやかな朝食を摂っていた。
「ふーん、転校生ねぇ。だから違う制服着てるのか。それにしても、休みの日まで制服着なくても良いんじゃねぇの? 服がないのか? 金がなくて買えないんだろ」
「あなた、失礼な事を遠慮なく言うわね。柊さんと仲が良いはずだわ」
量が少ないと分かっているからか、昨日のように勢いのある食べ方じゃない。