まあ、こいつの事だから、どうせあゆみとデートしたいとか、小野山美紗とうまく行くように応援してくれとか、そんな条件を出して来るんだろうな。
ここは条件を飲んだふりをしておくか。
「じゃ、じゃあ言うけどよ……あー、えっとだなあ。そのー……」
ガラにもなく、何もじもじしてんだか。
「はっきりしなよ。早くしないと赤い人が来るでしょ」
廊下をチラチラと見て、赤い人が来ないかを気にしながらそう言った私に、思い詰めたような表情で龍平が声を出した。
「ヤ、ヤらせてくれ!」
「はいはい、わかった……って! はぁ!? 何て言った!?」
「いや、だから、ヤらせてくれって……いいのか!?」
い、いいわけないでしょ!?
こんな時に何考えてんのこいつ!
あゆみでも小野山美紗でもなく、なんで私!?
「あ、あんたバカでしょ!? そんなの……」
そこまで言って、私は考えた。
どうせカラダ探しが終わったら、龍平が犠牲になってるんだから……ま、いっか。