「そろそろ目を覚ましなさい。呪いに囚われた魂達……」
今度は、女の子の声が聞こえた。
その声に、どこかに引き戻されるような感覚に包まれて……私は目を開いた。
「ここは……天国?」
それにしては薄汚れていて暗い。
もっと言ってしまえば、別に見たくもない学校の生徒玄関に似ている。
「こりゃあ……学校だよな? てか、なんでお前らがいるんだ? 俺は死んだはずじゃ……」
慌ててその声の方を向くと、龍平、美雪、あゆみ、そして、健司の姿があった。
「死んだって……私も死んだはずだけど。もしかして、気持ち悪い女の子が来なかった?」
「おお……いきなり襲われてよ! 頭をブチュッと潰されて、死ぬかと思ったぜ」
いや、それってやっぱり死んでるんじゃない?
龍平の頭の悪さには、ホント呆れるわ。
「私なんて窓から放り投げられて、地面に落ちたんだよ?苦しいのなんのって」
……って、どうして死に方を自慢し合ってるんだか。
この異様な状況を真面目に考え始めたのは、数分後の事だった。